韓国の年収は近年急速に上昇しており、日本との差が縮まりつつあります。本記事では、韓国の平均年収・最低賃金・職種別年収を2026年最新データをもとに徹底解説します。

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韓国の平均年収の実態

初めに、韓国の平均年収の実態を確認しましょう。

韓国全体の平均年収はいくら?

韓国の平均年収は、2024年時点で約4,200万ウォン(約450万円)前後とされています。韓国統計庁および国税庁の賃金データによると、2023年の勤労所得者の平均年収は約4,213万ウォンであり、年々増加傾向にあります。

2026年時点では、最低賃金の引き上げや大手企業の給与水準向上を背景に、平均年収は4,400万~ 4,500万ウォン(約470万〜480万円)程度まで上昇していると推計されています。ただし、この数字はあくまで「平均値」であり、高収入層が数字を押し上げている点に注意が必要です。

韓国では正規雇用と非正規雇用の格差が大きく、非正規労働者の平均年収は正規労働者の約55〜60%程度にとどまるという調査結果もあります。全体の労働者を対象にした場合、実態としての年収水準は平均値よりも低くなる傾向があります。

引用元:https://www.nts.go.kr/

日本と比較した韓国の年収水準

日本の平均年収は国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、2023年時点で約460万円です。韓国の平均年収(約450万円)と比較すると、両国はほぼ同水準にあると言えます。

ただし、10〜15年前は日本の方が明確に高い水準にありました。韓国の年収が急速に伸びた背景には、最低賃金の大幅引き上げ政策(2018〜2019年に約30%の大幅アップ)や、サムスン・現代・SKなどの財閥系大企業による高水準の給与設定が挙げられます。

購買力平価(PPP)ベースで比較すると、韓国の生活費は日本より低い面もあるため、実質的な生活水準では韓国の労働者が有利な側面もあります。特にソウルの都市部では物価が高騰していますが、地方では日本の地方都市よりも生活コストが低い地域も多く存在します。

引用元:https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/minkan.htm

韓国の中央値年収と平均値の違い

韓国の年収を正確に理解するには、「平均値」と「中央値」の違いを把握することが重要です。韓国国税庁のデータによると、勤労所得者の中央値年収は約2,800万~3,000万ウォン(約300〜320万円)程度とされており、平均値の4,200万ウォンを大きく下回ります。

この乖離は、一部の高収入層(財閥系大企業の役員・医師・弁護士など)が平均値を大きく引き上げているためです。

つまり、韓国の労働者の半数以上は

年収300万円台以下で生活しているという実態があります。

「韓国の平均年収は高い」という印象を持つ方も多いですが、中央値ベースで見ると、日本の中央値(約370〜380万円)よりも低い水準にあります。年収の実態を把握する際は、平均値だけでなく中央値も合わせて確認することが大切です。

引用元:https://www.nts.go.kr/

韓国の最低賃金と給与制度

続いて、韓国の最低賃金と給与制度について解説します。

2026年の韓国最低賃金

韓国の2026年の最低賃金は、時給10,320ウォン(約1,130円)に設定されています。2025年の10,030ウォンから約2.9%の引き上げとなりました。これを月給換算すると(週40時間・月209時間労働の場合)、月額約215万6,880ウォン(約23万6,000円)、年収換算で約2,588万ウォン(約283万円)となります。

韓国の最低賃金は最低賃金委員会が毎年審議し、翌年1月1日から適用される仕組みです。労働者側は大幅引き上げを求め、使用者側はコスト増加を懸念するため、毎年交渉が難航する傾向にあります。

引用元:https://www.minimumwage.go.kr/

韓国の給与支払いの仕組みと賞与制度

韓国の給与は基本的に月給制(월급제)が主流で、毎月決まった日(多くは25日または月末)に支払われます。日本と同様に銀行振込が一般的です。

賞与(ボーナス)制度については、企業によって大きく異なります。財閥系大企業では基本給の200〜400%に相当する賞与が支給されるケースもありますが、中小企業では賞与がない、または少額にとどまるケースも少なくありません。

また、韓国では「성과급(成果給)」と呼ばれる業績連動型の賞与制度を

導入する企業が増えており、個人・部門・会社全体の業績によって支給額が変動します。

退職金制度については、韓国では「퇴직급여(退職給与)」として法律で義務付けられており、1年以上勤務した労働者には退職時に30日分以上の平均賃金が支給されます。

最低賃金の推移と今後の見通し

韓国の最低賃金は過去10年で大幅に上昇しました。2016年に6,030ウォンだった最低賃金は、2026年には10,320ウォンと約1.7倍に増加しています。特に2018年(7,530ウォン・16.4%増)と2019年(8,350ウォン・10.9%増)の2年間で大幅な引き上げが行われました。

今後の見通しとしては、韓国政府が「最低賃金1万ウォン台の維持・安定」を基本方針としており、急激な引き上げよりも物価上昇率に連動した緩やかな増加が続くと予想されます。一方で、自動化・AI化の進展による雇用への影響も懸念されており、最低賃金政策と雇用維持のバランスが今後の課題となっています。

引用元:https://www.minimumwage.go.kr/

年齢・学歴・性別による年収の違い

次に、年齢・学歴・性別による年収の違いを見ていきましょう。

年齢別にみる韓国の平均年収

韓国の年収は年齢とともに上昇する傾向がありますが、50代後半から定年(60歳)に向けて低下するケースも見られます。おおよその年齢別平均年収は以下の通りです。

  • 20代前半(入社1〜3年目):2,500, 3,500万ウォン(約275〜385万円)
  • 20代後半〜30代前半:3,500万~5,000万ウォン(約385〜550万円)
  • 30代後半〜40代前半:5,000万~7,000万ウォン(約550〜770万円)
  • 40代後半〜50代前半:6,000万~8,000万ウォン(約660〜880万円)
  • 50代後半以降:4,000万~ 7,000万ウォン(約440〜770万円)※役職・企業規模による

韓国では「연공서열(年功序列)」の文化が日本ほど強くなく、成果主義・能力主義の傾向が強い企業が増えています。そのため、優秀な若手が30代で高収入を得る一方、50代でも昇進できなかった場合は早期退職を求められるケースもあります。

学歴(高卒・大卒・大学院卒)による年収格差

韓国は学歴社会として知られており、最終学歴による年収格差は非常に大きいです。

  • 高卒:平均年収2, 500万~3,000万ウォン(約275〜330万円)
  • 専門大学(2年制)卒:平均年収2, 800万~3, 500万ウォン(約308〜385万円)
  • 4年制大学卒:平均年収3, 500万~5,000万ウォン(約385〜550万円)
  • SKY大学卒(ソウル大・延世大・高麗大):平均年収5,000万~ 8,000万ウォン(約550〜880万円)
  • 大学院修士卒:平均年収4, 500万~7,000万ウォン(約495〜770万円)
  • 博士卒(理工系):平均年収6,000万〜1億ウォン(約660万〜1, 100万円)

特にSKY大学と一般大学の間には大きな年収格差が存在し、入学する大学が生涯年収に大きな影響を与えるとされています。このことが韓国の「教育熱」と「学歴競争」の激しさの背景にあります。

韓国における男女の賃金格差の現状

韓国の男女賃金格差はOECD加盟国の中でも最大水準にあります。OECDのデータによると、韓国の男女賃金格差は約31%(2022年時点)で、OECD平均の約12%を大きく上回っています

具体的には、男性の平均年収が約5,000万ウォン(約550万円)に対し、女性の平均年収は約3,400万ウォン(約374万円)程度とされています。この格差の主な要因としては、育児・家事による女性のキャリア中断、管理職への女性登用の少なさ、女性が多い業種・職種の賃金水準の低さなどが挙げられます。

韓国政府は「남녀고용평등법(男女雇用平等法)」などにより格差是正を推進していますが、

実態としての改善は緩やかなペースにとどまっています。

引用元:https://www.oecd.org/gender/data/employment/

企業規模・地域別の年収差

続いて、企業規模と地域別に見た年収差を解説します。

大企業・中小企業・財閥系の年収比較

韓国における企業規模別の年収格差は、日本以上に顕著です。財閥系大企業(삼성・현대・SK・LG・롯데など)に勤務する場合、新卒でも年収4,000万~6,000万ウォン(約440〜660万円)からスタートし、管理職になると1億ウォン(約1, 100万円)超えも珍しくありません。

一方、中小企業(従業員300人未満)の平均年収は2, 500万~3, 500万ウォン(約275〜385万円)程度にとどまり、大企業との格差は1.5〜2倍以上に達します。この格差が、韓国の若者が大企業・公務員・専門職に集中する「취업난(就職難)」の一因となっています。

韓国では「대기업 프리미엄(大企業プレミアム)」という言葉があるほど、大企業への就職が社会的ステータスと経済的安定を意味します。

ソウルと地方都市の年収格差

韓国はソウル首都圏への経済・企業集中が非常に強く、地域別の年収格差も顕著です。ソウル特別市の平均年収は約5,000万~5,500万ウォン(約550〜605万円)とされており、全国平均を大きく上回ります。

一方、地方都市(釜山・大邱・光州・大田など)の平均年収は3,000万~4,000万ウォン(約330〜440万円)程度で、ソウルとの差は約1,000万~2,000万ウォン(約110〜220万円)に達します。

ただし、生活費もソウルの方が高いため、実質的な生活水準の差は年収格差ほど大きくない面もあります。特に住居費については、ソウルの家賃・チョンセ(伝貰)が地方の2〜3倍以上になるケースも多く、手取りベースの生活余力では地方の方が豊かなケースもあります。

外資系企業勤務の場合の年収水準

韓国に進出している外資系企業(グーグル・マイクロソフト・マッキンゼー・ゴールドマンサックスなど)では、韓国の大手財閥系企業と同等かそれ以上の年収水準が期待できます。

外資系コンサルティング会社の場合、新卒(MBA卒)で年収8,000万〜1億2,000万ウォン(約880万〜1,320万円)、外資系金融機関でも年収7,000万〜1億ウォン(約770万〜1,100万円)程度が相場とされています。

英語力・専門スキル・グローバルな業務経験が重視されるため、

バイリンガル人材や海外留学経験者に有利な環境です。

韓国で働く日本人の年収事情

次に、日本人が韓国で働く場合について見ていきましょう。

日本人が韓国で就職する主なルート

韓国で働くことを目指す日本人が増えていますが、就職ルートはいくつかあります。

①日本企業の韓国現地法人への転勤・出向

日本本社からの駐在員として韓国に赴任するケースで、駐在手当・住宅手当などが付くため、実質的な年収は日本での水準より高くなることが多いです。

②韓国企業への現地採用

韓国語能力(TOPIK4〜6級程度)と専門スキルを持つ日本人が、韓国の企業に直接採用されるケースです。日本市場担当・日本語コンテンツ制作・観光・インバウンド関連などの職種で需要があります。

③日韓バイリンガルを生かした外資系企業

日本語・韓国語・英語のトリリンガルとして、外資系企業の韓国オフィスや日本オフィスを橋渡しする役割で採用されるケースもあります。

④フリーランス・リモートワーク

日本企業のリモート契約を維持しながら韓国在住というスタイルも増えています。

日本人が就きやすい職種と平均年収

韓国で日本人が就きやすい職種と、おおよその年収水準は以下の通りです。

  • 日本語教師・日本語講師:年収2,000万~3, 500万ウォン(約220〜385万円)
  • 日本市場担当営業・マーケター:年収3,000万~5,000万ウォン(約330〜550万円)
  • ITエンジニア(日本語対応):年収4,000万~7,000万ウォン(約440〜770万円)
  • 観光・通訳・翻訳:年収2, 500万~4,000万ウォン(約275〜440万円)
  • コンテンツクリエイター・YouTuber:収入は大きく変動
  • 駐在員(日本企業からの出向):日本での年収+駐在手当(年収600万〜1,000万円相当になるケースも)

日本人が韓国で就職する際の最大の武器は「日本語ネイティブ」であることです。

韓国企業の日本市場進出や、訪日韓国人向けサービスの拡大に伴い、

日本語話者の需要は高まっています。

韓国での生活費と年収の関係

韓国での生活費は、居住地域と生活スタイルによって大きく異なります。ソウル中心部(江南・弘大・梨泰院など)では生活費が高く、ワンルームの月家賃は60〜100万ウォン(約6.6万〜11万円)以上が一般的です。

一般的な1人暮らしの月間生活費の目安は以下の通りです。

  • 家賃:50〜100万ウォン(約5.5万〜11万円)
  • 食費:30〜50万ウォン(約3.3万〜5.5万円)
  • 交通費:5〜10万ウォン(約5, 500, 1.1万円)
  • 通信費:5〜8万ウォン(約5, 500, 8, 800円)
  • その他(娯楽・衣料等):20〜40万ウォン(約2.2万〜4.4万円)
  • 合計目安:110〜208万ウォン(約12万〜22.9万円)

年収3,000万~4,000万ウォン(月収250〜333万ウォン)あれば、ソウルでも節約しながら生活は可能ですが、余裕のある生活には年収4,000万ウォン以上が望ましいでしょう。

韓国の税金・社会保険と手取り額

次に、韓国の税金や社会保険と手取り額を見ていきます。

韓国の所得税率と計算方法

韓国の所得税(소득세)は累進課税制度を採用しており、課税所得に応じて税率が段階的に上がります。2026年時点の税率は以下の通りです。

課税所得(万ウォン) 税率
1,400万以下 6%
1,400万〜5,000万 15%
5,000万〜8, 800万 24%
8,800万〜1億5,000万 35%
1億5,000万〜3億 38%
3億〜5億 40%
5億〜10億 42%
10億超 45%

なお、所得税に加えて地方所得税(所得税の10%)が課税されます。各種控除(勤労所得控除・扶養控除・保険料控除など)を差し引いた後の課税所得に対して税率が適用されます。

引用元:https://www.nts.go.kr/

社会保険料の種類と負担割合

韓国の社会保険(4대보험)は以下の4種類で構成されており、労使折半で負担します。

保険の種類 労働者負担率 使用者負担率
国民年金(국민연금) 4.5% 4.5%
健康保険(건강보험) 3.545% 3.545%
雇用保険(고용보험) 0.9% 0.9〜1.85%
産業災害補償保険(산재보험) 0.0% 業種により異なる

合計で労働者は給与の約9〜10%程度を社会保険料として負担します。健康保険には「장기요양보험(介護保険)」も含まれており、健康保険料の12.95%が追加で徴収されます。

年収別の手取りシミュレーション

各種控除・税金・社会保険料を差し引いた手取り額の目安を示します。

年収(万ウォン) 円換算(目安) 月手取り(万ウォン) 月手取り(円換算)
2,500万 約275万円 約175万 約19.3万円
3,500万 約385万円 約245万 約27万円
5,000万 約550万円 約335万 約36.9万円
7,000万 約770万円 約450万 約49.5万円
1億 約1, 100万円 約610万 約67.1万円

※概算値。実際の手取りは控除内容・家族構成・各種控除の適用により異なります。

まとめ:韓国の年収を正しく理解するために

韓国の年収は、平均値だけを見ると日本とほぼ同水準の約450万円前後ですが、中央値では約300〜320万円と実態はより低い水準にあります。大企業・財閥系企業と中小企業の格差、正規・非正規の格差、男女の賃金格差など、韓国の年収には多くの「格差」が存在します。

職種別では医師・弁護士・ITエンジニア・金融専門職などが高収入を誇り、学歴(特にSKY大学卒)や企業規模(財閥系大企業)が年収を大きく左右します。

韓国で働くことを検討している日本人にとっては、日本語ネイティブというスキルが大きな武器になります。ただし、現地採用の場合は生活費(特にソウルの住居費)と手取り額のバランスをしっかりシミュレーションしたうえで判断することが重要です。

韓国の年収に関する情報は変化が速いため、本記事で紹介した公式統計サイトや求人プラットフォームを定期的にチェックし、最新情報を確認するようにしましょう。